エドアルの女体化エロです。 苦手な方は回れ右をお願い致します。 目に見えて染みゆく部分を見せ付けられて、白い頬は赤さを増す。 艶かしいツヤを放ち、わななく唇から目が離せない。 視線を逸らすなといわれて大人しく従う少女の瞳は、下半身を映す手鏡から一瞬も外れようとはしなかった。 その内情を推し量ることは出来ないが、多分に羞恥心を感じているのだろう、手鏡を持つ手が震えていた。 捲り上げたスカートは太腿の際どい部分で留まり、少しでも動けば下着がちらと覗く。 仕事の書類が散らばる机に足を広げて座る少女の前、座りなれたいつもの椅子に座るエドワードからしてみれば、スカートの意味などない。 桜色の下着は濡れた部分だけが濃く色づいていた。この少女が感じている証だ。自然と口元に笑みが浮かぶ。 「触れてもいないのに、見られているだけでこんなに濡れてるなんてな? エロいな、アルフォンス」 「! だ、って……」 下から意地悪く見上げると、少女――元・弟であるアルフォンスは上体ごと正面のエドワードから顔を逸らした。 急な動作に肌蹴られたシャツの、下着に覆われたたわわな胸がふるりと揺れた。その様に、自然と喉を流れる唾液の音が、ひどく大きく聞こえた。 露になっている白い肌は朱に染まり、艶かしく男の本能を揺さぶりかける。誘われるがままに這わせた指先。触れた肌は見た目以上に熱かった。 身を震わせたアルフォンスは何も言わずに、臍の窪みからじょじょに上へと上り詰める指先の感触に耐えている。 自らの欲望の我慢も試されているような、ゆっくりとした指先の動きはブラジャーにまで到達を果たし、前ホックの下着を解く。 アルフォンスが小さく息を詰めたのと同時に、支えを失った乳房は重力に従い下がり、しかし張りのあるそれは綺麗な形を維持したまま エドワードの目の前に現れる。同年代の少女よりも大きめな胸をアルフォンスは気にしているようだが、円みを帯び柔らかい感触を掌に伝える胸を、 もっと誇ってもいいものだとエドワードは常々思っていた。 胸を補正する下着も、いまや被さる程度になり、僅かに見える突起がいやらしい想像を掻き立てる。 いまだ下着の奥に潜む円やかな全貌を暴き、思う様に揉みしだきたい衝動が湧くが、まだこれからだと欲望を押し留め、 指先は更に上を目指していく。浮いた鎖骨をなぞり、首筋を伝って頬に掌を滑らせて、数回軽く打った。 弾力ある頬を掌が打つ、その音に意図を感じたのだろう、アルフォンスは身を竦ませた。 上体を正面へと戻し、恐れを含んだ大きな瞳にエドワードを映す。 動いた際、一瞬曝け出された突起が、既に尖りを示していた。 「……判ってんならいい。逸らすなって約束だったしな、アル?」 「ごめん、なさい……だから、もう……」 言葉を途切れさせたアルフォンスは、言葉で先を促す代わりにエドワードの手に手を重ねて、指先に口付けてきた。 物言いたげな眼差しを向けたまま、指先を舌で舐め、時折甘噛みして一本一本愛しんでいく。 滑らかに指の形を辿る舌先に、アルフォンスの瞳に、内に焼け付くような熱が孕んでいくのをエドワードは感じた。 「もう、なんだ?」 あえて問いかければ、指先に激痛が走った。見ると、噛み付かれていた。 眉を顰めて耐えたエドワードを、アルフォンスが「意地が悪いんだから……」と睨みつけてくる。 それでも、直接的な言葉が聞きたいと思ったエドワードは、されるがままだった指先で口内をぐるりと探りにかかった。 数え切れないほど交わした口付けから、アルフォンスの弱いところは承知済みだ。容赦なくピンポイントに感じる部分を責め立てる指先に、 突然始まった口内の愛撫に成す術もないアルフォンスはそれらを甘受するしかない。 涙目で睨みつけてくる姿も、また可愛いらしい――エドワードの指先は丹念に口内を行き来する。 このままでは話せないだろうと、一旦引いた指先で頬をまた叩いた。小気味良く鳴る肌の音に、ぴちゃと濡れた音が混じる。 口にしないとやらないぞ、と瞳で伝えながら二・三、頬を軽く打った。 「~っっ! バカっ……責任取って、抱いて……っ!」 エドワードの本気を見たアルフォンスが、吐き捨てるように待ち望んだ言葉を口にした。 まったく色気のない誘い文句でも、今のエドワードにとっては十分な代物だった。 (ま、ここで「嫌」だと言われても離す気はないけどな) この綺麗に彩られた唇から、ただ淫猥な言葉を吐く所が見たい、それだけの為に意地悪を吹っかける。 自分自身の歪んだ欲望は誰よりも知っていた、だからこそ忠実になれるのだ。 どこから見ても美しく立派に成長したアルフォンスの、乱れてもどこか清らかな雰囲気は侵しがたい領域。 雰囲気と言葉のギャップが、更にエドワードを煽ってやまない。 「……買い物はいいのか? 服買いたいって言ってただろ」 「こんなんじゃ、行けないよ……」 「お前が我慢すれば行けるだろ、俺はどちらでもいいけどな?」 思ってもいない事を口にして、アルフォンスを意地悪く見ると、キッと睨み返してくる。 揺らぐ熱を秘めた眼差しが、身体を蝕む熱がただでは治まらないことを言葉よりも雄弁に語りかけていた。 「っ……兄さんが、急に襲うからじゃないか! 書類だって、大切なものなんでしょう? ぐしゃぐしゃになっちゃうよ」 ちらりと視線を落としたアルフォンスの尻の下には、数十枚の書類が下敷きになっていた。ぐしゃといくつも皺を作る書類は、 既に用済みのどうでもいい紙束だった。仕事で使う大事な書類なら机に放置し、尚且つこれから情事を行おうとする場所には置かない。 アルフォンスは勘違いをしているようだが、それをあえて訂正するつもりはエドワードにはない。 それは偶然にも好都合な事だった。アルフォンスを責める材料の一つとなるのだから。 「お前が逃げようとしなかったり、濡れなかったら汚れることはない。まー、水零したつってそのまま提出するから構わないけどな」 「最低っ、変態っ!」 「結構。お前の前じゃ有能な天才錬金術師様が変態に成り下がるのもまた面白いだろ」 面白くないよっ! と喚くアルフォンスに、エドワードは椅子から立ち上がって今度は少女を見下げる立場となる。 片手を腰へと回して、もう片方の手で金の髪をいじりつつ、恭しく口付けた。 「……どうして、いきなり?」 髪から首筋へと唇を移動させて、脈動の上を辿るように肌の感触を楽しんでいたエドワードの頭上から、疑問混じりの言葉が降ってくる。 言葉を返すべく、ちゅっと軽い音を立てて離れた部分が、僅かに朱で染まっていた。生きている何よりの証である脈動の上から、 エドワードのものだという証を重ねることで、この愛しい存在のすべてを手にしたといういささか傲慢な幸せを感じる。 アルフォンスと目線の位置を合わせて、笑んだ唇を開く。 「その唇が、俺を誘っているように見えたから、か?」 「……兄さんの世界は、自分中心で回っているんだね」 「お前中心で回っているんだ」と、口には出さず心の中で大きな間違いを直す。 不機嫌面を作るアルフォンスに構わず艶めく唇に指先で触れれば、べっとりと濡れた感触が指に付いた。 ルージュの絡められた指先を口内へ含めば、なんとも言えない味が広がってエドワードは眉を顰める。 「……舐めるもんじゃないよ、それ」 「そうだな……」 結局の所、美味しそうに見えるのはアルフォンスの唇だったと結論づけて、エドワードはアルフォンスの唇に深い口付けを贈った。 一方的に始まったキスに抵抗を示したものの、そのうちゆっくりと背中へ回される腕の感触に、ひっそりとエドワードは唇を笑ませた。 下半身を隠していたスカートと下着を取り払い、アルフォンスが纏うのはシャツ一枚のみ。 現れたそこはぐっしょりと濡れて、明るい日差しの中、エドワードの目にてらてらと輝いて見えた。 じっと視線を貼り付けているうちにもとろりと蜜が溢れて、アルフォンスの尻の下敷きになっている書類に染みを作っていく。 足を開き後ろに手をついて身体を支えているアルフォンスに、エドワードはにやりと笑いかけた。 「たっぷり濡れてる」 「言わなくていいよバカ!」 顔を真っ赤に染めて逸らすアルフォンスに口付けて、エドワードは指先を触れさせた。 びくりと目に見えて震えた身体を気にすることなく蜜口の表面、蜜を絡めるように撫でていく。 時折、敏感な部分に蜜を塗りつけて触れれば、アルフォンスのしっとりと濡れた吐息が頭上から落ちてくる。 白い太腿に手を添えて、すらりと伸びる足の付け根へと顔を近づけた。 「舐めてもいいか?」 「聞かないでってば……あっ!」 返答の言葉の途中で、我慢出来なかったのはエドワードのほう……舌先を蜜口に這わせて、とろりとした愛液を音を立てて啜っていく。 いくら吸っても失われない、潤った部分に舌をゆっくりと差し入れれば、生暖かい肉が舌を包み込んでくれる。 既に何度も男を飲み込み慣れた蜜口は挿入になんの抵抗も見せない。むしろ、奥へ奥へと誘うように蠢いていた。 「は、あ……っ! いやぁ……」 「いやじゃないだろ?」 「ば、か……っああ……」 「可愛いな、アルは」 嬌声に混じり消えていく罵倒さえも、甘くエドワードの耳を擽る。アルフォンスは顔を真っ赤にし瞼をきつく閉じていた。 びくびくと身を揺らすたびに乳房も揺れる。普段の姿を重ねることが出来ないくらい、鮮烈な色を纏った姿を瞳に映したエドワードの喉が鳴った。 ぴちゃぴちゃと音を立ててねっとりと舌を這わせ、濡れた内部を更に唾液で濡らしていくと、収まりきらない唾液が愛液と混じって流れていく。 十分に濡れたのを確認して、エドワードは節高な指を一本、蜜口へと押し込める。 「っ! んん……!」 「一本じゃ足らないだろ? お前にとっちゃ、十分な刺激にもならねえよな」 ふるふると首を振ったアルフォンスに構わず、先に挿れた指に沿わせるようにもう一本指を挿れた。 難なく挿入を許す内部を、舌先では届かなかった部分まで無遠慮に侵入していく。熱い内は指を締め付けるように動いて、逃さない。 女性特有の部分を覗き込んでいた姿勢を伸ばして、アルフォンスの耳元で低く囁く。 「凄いぞアルフォンス、ここは優秀だな」 「も……変なこと、言わない……でっ!」 ぎゅっとエドワードの首元に抱きついて非難するアルフォンスの頭を撫で「ごめん」と囁き、埋め込んだ指を動かした。 内壁を擦りながらゆったりと抜き差しを繰り返していく。耳元で吐き出される熱い吐息が、エドワードの興奮を助長して指の動きを強く激しいものへと変えていった。 己の欲望で少女を貫き、存分に中を掻き混ぜる想像をしながら指でぬめる内壁を行き来する――高まる興奮に、下肢が痛いくらいに腫れ上がっていくのを感じた。 「気持ちいいか?」 「は、あ……んんっ」 エドワードの問いに意味のない喘ぎを零しつつも、こくこくとしっかり頷いた。 ここまで来れば、アルフォンスはもう受け入れるしかないのだろう、返す反応は素直だった。 中を探るエドワードの腕ごと太腿で挟み耐える表情に、本日何度目かの唾液を下す。 「も、ダメ……っ、いれ、て……!」 ぐちゅり、と大きな音を立てて内部をかき混ぜられたと共に、上がった濡言。 部屋に大きく響いて、エドワードの耳をじんと痺れさせた。叫ぶように求められて、口元に笑みを浮かべる。 「俺が欲しい?」 弱い部分を容赦なく責め苛みながら意地悪く聞いた瞬間。 アルフォンスが、服を押し上げるエドワード自身を力いっぱい握った。 「いってえええっ!」 「自業自得……僕だって、それくらいは苦しいんだからね!」 苦しいというか、死にそうなくらい痛いんですけどアルフォンスさん……! 尋常でない力で握られた自身の激しい痛みに視界が涙で滲む。情けなくもヒーヒー声を上げつつも、いまだアルフォンスの手の下で 痛む自身が萎えず昂っていることに、正常に機能しているんだと一安心したエドワードだった。 肩口に頭を預けるアルフォンスからは表情を伺えなかったが、エドワードの意地悪が過ぎた故の反撃なのだろう。 耳元で何度もキスを落としながら「ごめん」と囁けば、小さく吐息を漏らして力いっぱい握った自身を、今度はそっと撫で擦ってきた。 一変して優しく触れてくるアルフォンスの手を取り、細い指に指を絡めた。これ以上は、エドワードも限界だった。 そっと蜜口から引き抜いたその指でアルフォンスの顎を取り、視線を合わせる。欲情に濡れた大きな瞳に映る自分はひどく飢えた表情をしていた。 もう片方のアルフォンス手が、エドワードの頬に戯れかけてくる。 「兄さんも、僕が欲しくてたまらないくせに……余裕のない顔、してるよ?」 微笑む少女の口元に軽いキスを送り、抱き締める。 「そうだ、いつだってお前には敵わないんだよ……愛してんだから当然だろ?」 どこか不貞腐れたエドワードの言葉に、アルフォンスはくすくすと笑う。 「の割には、意地悪だよね……でも、そんな兄さんも好きだから結局は許しちゃう自分も、どうかしてるのかも……」 今度はアルフォンスから柔らかな唇を押し付けて、体重を掛けてくる。 心地よい重みを受け止めたエドワードの耳元で「だから、早く……」と甘く囁かれれば、お得意の意地悪を吹っかける余裕も吹き飛んでしまった。 やはり敵わないな、と内心一人ごちる。 「ああ……俺もお前が欲しくてたまらない。……挿れるぞ」 くつろげた衣服から怒張した自身を取り出して指が抜けて間もない、開かれたそこへ押し当てた。 ビクりと身体を震わせるアルフォンスの視線が、その場所に釘付けになる。 コク、と小さく鳴った喉音に本人は気がついているのだろうか、目線を外すことなくその瞬間を臨む少女から判らなかった。 細い腰を自分の方へ抱き寄せるようにしてゆっくりと貫いた。 熱くぬめる肉に包まれていく自身から、眩暈のような快楽が全身へと巡って思考を焼き潰していく。 「んんっ……ああああ……っ!」 大きい質量に占められ、広げられていく蜜口に苦痛の表情を見せつつも、高らかに上がった声は、確かな快楽を含んでいた。 逸らされた喉元にエドワードは口付けて、吸い上げる。離した部分に、色鮮やかな朱の花が散ると共に自身が根源まで埋め込まれた。 「キツイな……それに熱い」 太腿を抱え上げ、エドワードは早々に緩く抜き差しを開始した。 感覚に耐える少女の口元からは、とめどなく嬌声が漏れ始める。 「んっ、待っ、て……ぇっ!」 「身体は待てないって言ってんぞ?」 腰を掴んで更に奥へと自身を進めながら、赤く染まる耳元に口付けた。耳殻の形を舌で辿るだけで感度のいいアルフォンスは身を揺らし、 その振動が内部に穿たれたエドワードの自身をより刺激してやまない。 交接のたびに漏れる水音が、二人の激しさを如実に表している。太腿に食い込む指先。 それすらも今のアルフォンスには、快楽のひとつとなるようで口からは苦痛の声色はない。 抱き締める格好では自然に胸元に柔らかい感触が押し付けられる。ぐいぐいと胸を擦るふくよかな感触に、たまらないと エドワードは抜き差しをしながら顔を寄せていった。ぺろ、と突起を舐める。 「や、だ……っ、兄さんっ!」 「嫌なのか? ここ触られた途端、締めつきがキツくなったぞ?」 「ばか……ぁっ、んんっ!」 見上げるアルフォンスの瞳は自身を押し込める部分と負けないくらい濡れ、今にも頬に涙の軌跡を描いてしまいそうだった。 艶かしい視線がエドワードを捕え、誘う。体の感覚全てを刺激するほどの、艶かしい視線に心臓が大きく打った。 完全に理性を手放して、衝動に身を任せたエドワードは、目の前で揺れる乳房に舌を這わせた。 色づく頂を口に含んで、むしゃぶり、噛み付く。歯に当たる固い感触が、口内を甘く嬲る。 「あぁ……っ! 兄、さんっ……もっ、と、強くっ」 全身でしがみ付いて来る身体をしっかりと抱き締めて、口元を歪ませる。 「どっちを強く、なんだ? アルフォンス……こっちか?」 尋ねながら、エドワードは口に含んでいた突起を吸い上げ歯を立てた。 「は、あ……っ! いやっ!」 「違うのか? じゃあ、ここか?」 快感を示す声は明らかだが、エドワードは唇を突起から離して、自身をぎりぎりまで引き抜くと、一気に奥を目指して打ち付けた。 「兄、さ……ぁああっ!!」 「どうやらこっちの方が、いやらしいアルにはお気に召したようだな」 「ち、がう……っ、は、あああっ……!!」 首を振って否定するアルフォンスの耳元で「違わないだろう?」と囁き、何度も引き抜いては貫くを繰り返していく。 その度にぎゅうぎゅうと締め付けられる快感に、エドワードは歯を食いしばって耐えた。このまま達してしまうには勿体無いとばかりに 腹に力を入れて、遠慮なく揺さぶっていく。ひっきりなしに鳴る水音、止まらない嬌声、激しく軋む机――そのどれもが、卑猥な空間を一層濃くしていった。 「も、だめっ……無理ぃ……っ!」 乱れのないエドワードの襟元を力いっぱい握り、アルフォンスは吐息交じりの懇願を必至に紡いだ。 吐き出される息に耳元をくすぐられて、アルフォンスの懇願に返事を返す間もなく、抽挿が早く荒々しいものになる。 「中、出すぞ……っ!」 「や、だめ……っ、んんっ、んんぅー!」 アルフォンスの拒否を示す唇を自分の唇で塞いで、エドワードは最後の突きとばかりに自身を奥へ打ち付けた。 あわせた唇からくぐもった嬌声が漏れたと同時に、アルフォンスはエドワードにしがみつき身をびくりと揺らして果てた。 きつい収縮の波にのまれた自身から、迸る果てた証がアルフォンスの内部をぬらしていく。 室内に二人分の荒い息がひそやかに響く。 アルフォンスの顎を取り、上向けた大きな瞳には色濃く情事の名残が残り、エドワードは誘われるがままに艶めく唇に口付けた。 ねっとりしたルージュの感触は、熱の引かない体にとって何よりもの媚薬だった。 「はー……ヤバイ。まだ、足んね……っ」 達したばかりの自身は再び熱を纏い、アルフォンスの柔らかな肉の中でゆっくりと蠢き始める。 「あっ、ああ……や、ここじゃ嫌っ。お尻、痛いんだから、ね!」 荒い息混じりにしがみ付いて来るアルフォンスの頭を撫でながら、エドワードは破顔した。 「……了解、愛してるぞアル」 繋がったまま向かい合う形で抱き上げて唇に軽いキスを送る。笑んだ大きな瞳が閉じられるのを確認してから、何度も口付けた。 柔らかなベッドに身を沈めるまで、キスは終わる事はなかった。 「口紅取れてるな」 隣で横たわるアルフォンスの唇に指先で触れると、もうルージュの艶はなかった。 そのまま唇の形をなぞる指先にアルフォンスは身じろぎし、気だるげに開かれた瞼の先にある瞳が、どこか不機嫌な色をしながらエドワードを見つめる。 「……そりゃ、あんなに……」 キス、と音もなく動かした唇を不意に閉じて、アルフォンスは視線を逸らした。その目元が薄い朱に染まっている。 中途半端に言葉を切った唇へ、今度は自身の唇で触れてエドワードは苦笑した。 「……お前に似合ってたよ、あの色」 「兄さんが、選んでくれたものだしね?」 そうだっけ? と一瞬思考を巡らせて、思い出す。軍の女性達が雑誌に乗っているモデルを指差して「このルージュ、 男を誘うってコンセプトで作られたんだって」と話しているのを聞いて、購入したのだ。それに対しての多大な興味と、ルージュに 彩られたアルフォンスが見たかったから、という理由でプレゼントしたのだが……今日は二人で買い物へ行くはずが、行為に及んでしまった。 (見事に落ちたわけだ。効果はバッチリだな) こっそり笑って、傍にある柔らかい身体を抱き寄せた。逃げることなく、アルフォンスも黙って身を預ける。 「それ、俺以外の前では付けるなよ?」 「なんで? つけなきゃ勿体無いじゃん、せっかく兄さんがくれたものなのに……」 それはだな……購入を至った経緯を耳打ちすると、頬を真っ赤にさせたアルフォンスがこくりと小さく頷いた。 「アルがエッチしたくなったら、この口紅でもつけて誘ってくれ」 「兄さん!?」 「勿体無い、だろ?」 言葉を詰まらせたアルフォンスは、素早く背を向けて振り向くことはなかった。 だが、その口から拒否の言葉が紡がれなかったことにエドワードは満足だった。 「それに、好きなヤツから求められるのは、嬉しい事じゃないか」 何気なく漏らした台詞に、目の前のアルフォンスのうなじがみるみるうちに赤く染まっていった。 まんざらでもないんだな、と内心呟いて、エドワードは唇に弧を描いた。 そう待たずに、アルフォンスは可憐な唇に艶を纏うだろう。 求められる事に嬉しさ感じているらしい少女は、世界中の誰よりも優しかったから。 H18.3.13「くちびるLove potion」